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膠原病(自己免疫疾患) 

膠原病について

膠原病(自己免疫疾患) とは

膠原病とは、1942年にアメリカの病理学者ポール・クレンペラーが提唱した名称です。

クレンペラーは全身性エリテマトーデス(SLE)、全身性硬化症、強皮症等の研究から、病態の主な発生部位は結合組織と血管にあると考えcollagen-vascular disease と命名をしました。これが膠原病と翻訳されたのが始まりです。

自己免疫性疾患とも呼ばれ、全身のあらゆる臓器に影響をもたらします。

免疫とは

免疫(めんえき)とは、身体が外部から侵入してくる病原体(ウイルス、細菌、真菌など)や異物(異種タンパク質、毒素など)から守るための防御システムです。

免疫システムは体に備わっている複雑なメカニズムで、侵入してくる異物を認識して排除し、体を健康に保つ役割を果たしています。

免疫には大きく分けて「自然免疫」と「獲得免疫」の2種類があります。

1.自然免疫:生まれつき身体に備わっている防御機構で、特定の病原体を問わず幅広く身体を防御します。皮膚や粘膜、白血球(好中球やマクロファージなど)が関わり、侵入した異物を迅速に攻撃して除去します。

2.獲得免疫:特定の病原体に対して発動する免疫で、病原体に初めて感染したときに反応するのが遅くなることがありますが、2回目以降の感染時には素早くかつ強力に反応します。

T細胞やB細胞といったリンパ球が関与し、病原体に対する抗体を作成したり、記憶して再度感染を防ぐよう働きます。

これらの免疫が相互に働くことで、私たちは健康を維持し、感染症から体を守ることができます。

免疫システムの異常が発生すると、アレルギーや自己免疫疾患(膠原病)といった症状が引き起こされることもあります。

自己免疫疾患(膠原病)とは

自己免疫疾患とは、免疫システムが本来は体外からの病原体や異物を攻撃するはずなのに、誤って自分自身の健康な細胞や組織を攻撃してしまう状態を指します。

通常、免疫システムは「自己」と「非自己」を区別して、自分自身の細胞を攻撃しないように働くメカニズムがありますが、この区別がうまく機能しない場合に自己免疫疾患が発症します。

自己免疫疾患の原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因、環境要因、感染症、ホルモンの変化などが関与すると考えられています。

代表的な膠原病

膠原病にはさまざまな病気が含まれ、これらの病気は免疫システムが誤って自分自身の組織を攻撃することによって引き起こされます。以下は代表的な膠原病です。

1. 全身性エリテマトーデス (SLE)

特徴:男女比では女性に多く、皮膚、関節、腎臓、心臓、肺、神経系など、全身の臓器に影響を与える自己免疫疾患です。顔に蝶形紅斑と呼ばれる特徴的な発疹が現れる事があります。

症状: 発熱、関節痛、疲労感、腎炎、皮膚の発疹、光過敏、レイノー現象。

2. 関節リウマチ (RA)
特徴: 主に手や足の関節が炎症を起こし、進行すると関節が変形して機能を失うことがあります。
炎症が他の臓器に波及することもあります。

症状: 関節の痛み、腫れ、こわばり、関節の変形。

3. シェーグレン症候群
特徴: 主に唾液腺や涙腺が障害され、口や目の乾燥(ドライマウスやドライアイ)を引き起こします。
関節炎や皮膚、肺、腎臓、神経系に症状が現れることもあります。

症状: 口や目の乾燥、疲労感、関節痛。

4. 全身性強皮症 (硬皮症)
特徴: 皮膚や内臓(肺、心臓、消化管、腎臓など)の結合組織が硬化していく疾患です。
皮膚の硬化が特徴的ですが、内臓にも影響が及ぶことがあります。

症状: 皮膚の硬化、手足の冷えと色変化(レイノー現象)、消化器症状、呼吸困難。

5. 多発性筋炎 / 皮膚筋炎
特徴: 筋肉や皮膚に炎症が起こる自己免疫疾患です。筋の炎症によって筋力が低下し、皮膚には発疹が現れることがあります。
内臓にも影響が及ぶことがあります。

症状: 筋力低下、筋肉痛、皮膚の発疹(顔や手指などに特徴的な紅斑)。

6. 混合性結合組織病 (MCTD)
特徴: 全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎、シェーグレン症候群など、複数の膠原病の症状を混合して持つ疾患です。

症状: 関節痛、レイノー現象、筋力低下、肺や心臓の障害。

7. 血管炎症候群
特徴: 血管に炎症が起こり、血流が障害されることでさまざまな臓器や組織にダメージを与える病気の総称です。
代表的なものには、高安動脈炎(高安病)があります。

症状: 発熱、疲労感、筋肉痛、皮膚の発疹、臓器障害(腎臓や肺など)。

主治医との連携

膠原病は病状が個人によって異なります。薬物療法と並行して鍼灸や整体を行う場合には、必ず主治医に確認をとり、施術内容について相談しながら進めることが重要になります。

鍼灸整体院プラーナでの膠原病の施術方法

鍼灸の施術方法

膠原病(自己免疫疾患)に対する鍼灸治療は、症状を和らげ、免疫システムを調整し、体全体のバランスを整えることを目指します。

鍼灸は病気自体の完治を目的とするというよりも、痛みや炎症を軽減し、生活の質を向上させるために補助的な治療として用いられます。

膠原病(自己免疫疾患)は、東洋医学では「気」や「血」の滞り、「陰陽」の不調和として捉えられることがあります。

鍼灸で全身の経絡を調整し、気血の循環を促進することで、自己免疫疾患に伴う症状が和らぐとされています。

特に、免疫の過剰反応や炎症が原因の痛みには、特定の経穴(ツボ)に鍼や灸を施して症状の軽減をはかります。

整体の施術方法

自己免疫疾患に対する整体治療は、身体のバランスを整え、硬くなって休まらない筋肉を緩め免疫機能の調整と全身の健康促進を目指すことで、症状緩和やQOL(生活の質)向上を図ります。

整体の施術で副交感神経が優位になるよう働きかけ、リラックスを促進し、ストレスを軽減することができます。

また関節リウマチなどの関節に影響の出る症状では、指等の可動域が制限されることが多いため、関節周りの筋肉や靭帯の柔軟性を高め、動きやすさをサポートします。

痛みを伴わない優しいストレッチや可動域改善の手技が行われ、動きの制限を少しずつ改善することで、無理なく痛みの緩和を目指します。

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